明日の記憶



渡辺謙の映画。

渡辺謙についての記憶の始まりは、小学生(?)の頃。

たしか白血病にかかり、治療で体がぼろぼろになり、

資産も底をつき、車を売り、現場には電車で通っていると、記者会見で言っていたのを覚えている。


自分の病気で、別に悪い事をしていないのに、

記者に責められるように質問され、申し訳なさそうに伏せ目がちで答えていたので

「何かおかしいだろ、コレ」

と感じた事が忘れられない。


そんな人が、「ラストサムライ」で爆発したように波に乗り、

自分の中では苦労をした人が、分相応待遇を受けて、

あの人を見るたびに何か心温まる物を感じる。


そんな渡辺謙が自信の闘病生活+実際のアルツハイマーの方々と

体験談や色々交流を深めて出来たのが、「明日の記憶」。

感想は未だ自分の中で消化し切れていないのが現状。

「闘病生活の中でも、人生の良さを再発見できる」みたいな着地の仕方をする映画だろうと思い、

タカをくくって見ていたが、

「やはり、この病気は怖い」と、見終わったとき思った。

(もちろん人生の再発見みたいな事は、描かれてましたが…)


アルツハイマー患者の方は、徐々に仕草などが幼児化する。

その様を、渡辺謙は表現していた。

また、劇中の家族との闘病の様は壮絶な物だった。


ドキュメンタリー等で知っていた事は、あらかた出てきて、

目新しいアルツハイマーについての知識は、語られていなかったが、

見ていて、なんともつらくなる映画だった。

でもコレは、「見るに値しない」と言うわけではない。

是非色んな方に見てもらいたい映画だった。